歯科技工の未来は?
補てつだけではない歯科技工の役割を果たし、新しいしくみや技術を主導的に進めていくことが予想される。
全体のむし歯本数が減り、予防や高齢者の口腔機能維持・向上が重視されることで、歯科技工技術が相対的に重視されなくなると不安を抱く人もいるだろう。しかし、口腔機能維持のためには、歯の噛み合わせや形態の保持が重要であり、歯科技工にはより繊細で緻密な技術が求められていくと考えられる。むし歯予防に貢献する歯科材料が開発される可能性もある。新材料にはしっかりアンテナを張ろう。
歯科技工物の材料がどのようなもので、誰が製作したのか、歯科技工物のトレーサビリティを明確にし、患者さんに情報を提供することも重要になってきている。歯科医師が診療等で多忙な中、トレーサビリティ管理を歯科技工士が主動で行う事例が増えると予想される。患者さんに歯科技工士の認知度を上げることにもつながるだろう。
デジタル技術も進む。上のグラフは、歯科技工所のCAD/CAMの利用率を表している。利用していない技工所も多いが、2012年から2018年を比べると普及のペースは速い。特に規模の大きい技工所で導入が進んでおり、今後、歯科技工士に必須の技術となると考えられる。デジタル技術については、歯科診療で活用するテクノロジーは?でさらに詳しく見ていく。