医療保険のしくみは?
日本は、国民皆保険制度を導入しており、健康な人も決められた保険料を支払い、病気やケガの際には本人の負担を少なくする相互扶助のしくみとなっている。
職業や年齢によって加入する保険は異なり、例を挙げると「健康保険組合」「協会けんぽ」「国民健康保険」等がある。保険制度を運営する組織を「保険者」、加入する人を「被保険者」と呼び、企業や団体の従業員が加入する保険では、被保険者の保険料は事業者と折半する。就職後には、給与以外に保険料が勤め先から支払われることを自覚しよう。
患者さんが医療機関や薬局で支払うのは、かかった医療費の1〜3割程度だ(年齢等によって異なる)。残りの費用は医療機関から審査支払機関を通じて保険者に請求する。保険医療費(診療報酬)は国によって決められており、2年に1回改定される。保険適用となる歯科技工物を使う診療報酬も、この改定の際に決められる。歯科医院の保険診療は診療報酬で規定されるが、歯科医院から発注される歯科技工物の製作は、通常の市場競争となるため、料金が低く抑えられがちであることが、しばしば問題となる。こうしたことを背景に、公的保険が適用とならない、自由診療に特化して技工物を製作する戦略をとる歯科技工所も少なくない。