薬局とドラッグストアの業界情勢は?
どちらもM&Aにより業界再編が進み、競争が激化している。
国全体の薬局調剤費は7兆円を超えている。上の表で売上上位を占める調剤薬局企業は、地方で実績のある中小規模の薬局を傘下におさめ、企業規模を拡大している。近年は、ドラッグストア企業が調剤薬局併設店を増やしており、大きなライバルとなっている。
かかりつけ薬剤師・薬局をはじめとして、薬局にはこれからの薬局のあり方とは?で解説するような、専門性の高い新しい役割が求められている。医療機関連携や、患者さんの薬の一元管理などに積極的に取り組み、求められる薬局となっていかなければ生き残りが厳しくなるだろう。
ドラッグストアの市場規模も7兆円を超える。利益率の高い医薬品や化粧品による利益で日用品や食料品の安価な販売を行い顧客を呼び込むビジネススタイルだ。ただし、前述のように調剤併設店も増えており、薬剤師の仕事を軸に見れば、薬局とドラッグストアの垣根はなくなってきたといえる。幅広い品揃えを充実させる一方、調剤などの専門性も成長のカギとなるだろう。
ドラッグストア業界もM&Aが進んでいるが、2019年、上の表の5位マツモトキヨシホールディングスと7位ココカラファインの経営統合に向けた協議が開始された。実現すれば、売上高1兆円に迫るトップ企業の誕生となる。