病院の就職はむずかしい?
努力は必要だが、病院への就職はかつてほどの「狭き門」ではない。
病院での薬剤師の仕事は、病院の規模と方針によってまちまちだが、主には医薬品の管理、入院患者さん用の調剤や製剤、注射薬の調剤、薬歴管理、ベッドサイドへ赴いての服薬指導、さらに医薬品情報の管理・発信などがある。病院によっては、薬剤物質の血中濃度などをモニタリングする治療薬物モニタリング(TDM)、薬歴やTDMなどのデータに基づく医師への処方提案など、薬物のスペシャリストとして治療への幅広い貢献を求められることも増えており、高い専門性が求められる職場でもある。
2012年の医療制度改革で薬剤師が病棟業務を行うことへの報酬「病棟薬剤業務実施加算」が新設されて以降、多くの病院が、病棟で活躍する薬剤師を増やしており、2018年3月の卒業生では、約23%が病院・診療所に就職している。また、近年は採用時にコミュニケーション能力を重視する傾向にある。
病院は募集時期が遅いといわれていたが、最近は、5年生で募集がある病院も増え、内定時期も早まっている。その一方で6年生の秋以降に新規や追加の募集がかかることも。病院への就職を希望する人は、こまめに求人票をチェックして、募集のタイミングを逃さないようにしよう。