医療保険・介護保険のしくみは?
日本では、全員が公的な医療保険に加入する国民皆保険の制度を取っている。病気やけがの際に全額を自己負担せずに医療を受けられる相互扶助のしくみで、2000年からは介護も社会全体で支え合う制度が始まった。
医療保険には、大手企業等の従業員が加入する「健康保険組合」、中小企業の従業員のための「協会けんぽ」、主に自営業者が加入する「国民健康保険」などがあり、運営する組織を「保険者」、加入者を「被保険者」と呼ぶ。介護保険は、保険者は市町村及び特別区、65歳以上が第1号被保険者、40~64歳が第2号被保険者となる。第2号被保険者の保険料は、加入している医療保険によって算定される。企業や団体の従業員が加入する医療・介護保険では、保険料を企業・団体と従業員が折半して負担している。診療やサービスを受けた際に、患者・利用者が窓口などで支払うのは、収入・年齢に応じて1〜3割。残りは、医療機関や介護事業所が審査支払機関を通じて保険者に請求する。
医療費は全体の半分程度が保険料、約4割が公費、患者負担が約1割、介護費用では1割程度が利用者の負担、残りの半分が公費と保険料だ。医療・福祉に携わる上では、多くの公費が投入されている保険制度を維持していくことを常に意識しよう。