回復期のリハビリの仕事とは?
急性期を過ぎて症状が安定してきた患者さんは、治療を最優先してきた急性期病院からリハビリを重点的に行う環境の整った病院(病棟・病床)に移って、より実践的なリハビリを受ける。この時期は患者さんの回復能力も高く、この時期のリハビリの質が、退院後のQOLに大きく影響すると考えよう。
そうした病床のひとつ「回復期リハビリテーション病床」は、多くの場合、365日欠かさずリハビリを行う体制を整えており、リハ職の活躍が特に目立つ病床である。上のグラフのように近年急速に増加しており、患者さんのなるべく早い在宅復帰と自立生活を可能にすることが責務だ。退院までにどれだけADLが改善されたかを示す「リハビリテーション実績指数」により、診療報酬に差がつくしくみになっており、リハビリ効果を確実に出すことが期待されている。
回復期においては、必要最低限のことができるだけでなく、その人の生活や仕事に合わせた機能回復を目指すことが重要だ。一人ひとりの希望を汲み取り、退院後にどのような生活を送るのか、目標を患者さんと共有してリハビリ計画を立てる。それを他のリハ職や医師、看護師、ケースワーカーとも共有しチームで連携する必要がある。このように回復期の仕事では、患者さんへの個別の対応が特に重要だ。