医療の世界では、療養病床を削減し、介護施設や在宅介護へ転換するなど、「治療から介護へ」の流れが目立つ。看護師の活躍ステージも介護施設、訪問看護等に拡大しており、この流れは今後も続くだろう。

　上の表に見られるように、介護サービスは、在宅、居住系、施設、いずれも利用者が増える見込みで、どのサービスにおいても、介護士だけでなく看護師も必須の存在だ。在宅介護では、訪問介護と訪問看護を組み合わせて24時間対応を行う「定期巡回・随時対応型」、医療行為を含めたサービスが充実する「看護小規模多機能型居宅介護」など、新しいサービスが伸びると考えられる。自宅での看護では、家族への対応、コミュニケーションもより大切になる。看取りを視野に入れ、その人らしく過ごすことを意識した看護が必要なことも増えるだろう。高齢者だけでなく、がんなど重度の病気で訪問看護を利用する患者さんが増える可能性も高い。

　病気予防・介護予防も重視されているので、予防のアドバイスができることも看護師の重要なスキルとなる。これからの医療のあり方とは？で説明するタスク・シフティングにより、医師の判断を待たず看護師が判断をする場面も増加するだろう。新しい時代に必要な知識・技術を意識して身につけるようにしたい。