保健師の仕事内容は?
看護師資格がある人は、所定の課程を修了して国家試験に合格すれば保健師の資格も得られる。上のグラフのように、多くは保健所や市町村で、公衆衛生の専門家として地域の病気予防や健康指導に従事する。
具体的な仕事内容としては、乳幼児の健診や親・妊婦へのケア、難病や障害を持つ人の生活相談・支援、高齢者の生活相談や介護予防、健康診断や健康増進プログラムの開発などがある。高齢者対象の福祉施設では、健康増進や生活相談、家族のケア、子供が対象の福祉施設では、障害児のケア、虐待を受けた場合のケアや関係各所との連絡調整などがある。
近年増加しているのが、事業所・企業で働く産業保健師だ。2015年12月から、企業が従業員に対してストレスチェックを行うことが義務化され、メンタル面での不調を未然に防ぐことが重視されている。通常の健康指導以外にも、うつ病の罹患を減らす、療養後の職場復帰をスムーズにするなど、産業保健師の仕事に期待がかかるだろう。
保健師の仕事では、人の私生活の奥深くまで入り込む、虐待や暴力の阻止に携わるといったシーンも珍しくない。「看護師よりラクそうだから」と目指す人もいるようだが、それは間違い。看護師同様、人の命と生活に関わる責任の重い仕事であることを理解しよう。