歯科医院では、院内の歯科技工室で勤務することになる。歯科医師と直接やりとりをする頻度も多く、歯科衛生士など他のスタッフとの連携もあり、歯科治療チームの一員としての自覚を得られやすい職場だ。

　歯科医院の歯科技工室の規模は様々だ。技工室があるから治療に必要な技工物を全て製作するとは限らず、外注と内部での製作を併用する医院もある。歯科技工士としての最初の就職先は、技術を身につけ、今後スキルアップしていくための土台を作る上で非常に大事だ。新人の指導体制がしっかりしているかどうかを確かめたい。歯科技工士の在籍人数が少ないから指導を受けられないとは一概には言えない。見学をして、技工室全体の業務内容とともに指導内容や研修制度、1年目で任せられる仕事内容なども具体的に質問して把握しよう。

　また、歯科医院の仕事の大きな特徴は、患者さんと直に接する機会があるということ。口腔内に技工物を入れて調整をする際に立ち会い、患者さんから装着した感触を聞けることもある。そうでなくても、診療現場のすぐ隣で仕事をすることの影響は小さくない。歯科医師や歯科衛生士から、歯科医療全体について情報を得る機会も多いので、歯科医院での仕事では、幅広い視野を持つことも大切だ。