病院での仕事とは?
歯科や口腔外科を持つ病院では、一般の歯科医院での治療が難しい患者さんの技工物を製作する他、他科と連携する役割も担っている。
総合病院の歯科・口腔外科では、通常の歯科治療等に加え、口腔内や顎の外傷や病気の診療を行う。よって比較的大きな歯科技工室が設置されていることが多く、歯科技工士は顎の骨を欠損した際の義歯、外科手術で使う止血副子など、大きな技工物も製作する。嚥下を助けるプレートなど特殊な技工物、放射線治療の副作用を防止する補助装置、睡眠時無呼吸症の治療用装置など、他科からの依頼による製作もある。入院中に義歯の調子が悪くなった患者さんに対応する場合もあり、歯科・口腔外科にとどまらず、様々な診療科の症例に出会うことになる。医療全般の知識が必要になる仕事だ。今後、医科歯科連携がより盛んになり、仕事領域は広がっていくだろう。歯科技工士がチェアサイドで治療に参加する方針の病院も近年増えており、対患者さん、対医療スタッフとのコミュニケーション力も大切だ。
また大学付属病院等では、新卒ですぐに技工士の仕事をするのが不安な人や、より高い技術を学びたい人のために研修制度を設けているところもある。就職先としてではなく研修先として選択肢に入ることもあるだろう。