歯科診療の現状は?
日本の歯科治療費は年々増加傾向にあるが、医療費全体の伸びの方が大きく、全体に占める歯科治療費の割合は縮小傾向にある。どのような分野や技術が求められるのか、歯科医療の動向を知っておこう。
2017年度の歯科診療費は2兆9,003億円、1人当たりでは2万2,900円、65歳以上では3万2,700円だ。歯科医療費の約40%を65歳以上が占めている。日本の医療の現状は?でも見たように高齢者ケアは重要領域だ。自分の歯を失った高齢者への義歯作りは、歯科技工士が担う仕事の中でも特に大きなもの。より精度の高い仕事をするためには、高齢者の食事や生活の習慣を知る努力も大切になるだろう。
小児歯科分野では予防歯科への注力の成果が出て、1999年度に2.92本だった12歳児のむし歯の平均本数は、2019年度には0.70本と、大幅に減少している。しかし、成人でむし歯を持つ者の割合は高く、歯周病に罹患している人の割合も高くなっている。継続的に歯周病予防を含めた予防歯科への注力、啓発活動が必要とされている。歯科技工士も予防に関する知識を増やすよう心がけよう。
歯科技工士として長く活躍するには、世の中の流れも見ながら、力を入れる分野や取り入れるべき新しい技術を常に考えることが大切だ。