2019年の歯科技工士の平均給与は29万6,200円、賞与を含めた年収が約385万円である（平均年齢38.6歳）。もちろん、若手の給与はもっと低い。参考として、歯科衛生士の平均給与は26万8,700円だ（平均年齢34.9歳）。

　上のグラフは、歯科技工士の平均給与の推移を表したものだ。毎月の給与は比較的安定しているが、賞与は年により変動が大きく、業績しだいで収入がバラつきやすいことがうかがえる。このデータは10人以上の事業所が対象のため、小さな技工所のデータは反映されず、病院や大規模歯科技工所の数値で平均が上がっている可能性もあり、必ずしも実態を表していないことにも留意したい。

　就職先を探す際、誰もが気にするのは給与だが、技術がものをいう仕事であり、初任給が多くないことは当然だ。就職先を選択するにあたっては、技術を身につけた数年後の給与イメージも確認しておこう。若い世代が減少している分、いち早く技術を高めることで、一人前の歯科技工士として早い段階で地位を確立できるだろう。

　そのためには、研修制度が充実していることを優先して職場を選ぶのもおすすめだ。将来的には給与アップにつながるだろう。給与を上げたいと思うのであれば、上げるためにはどうすることが必要か、よく考えて行動したい。