日本の子育て支援の状況は?
少子化の進行、子育て環境の変化に対応するため、子ども・子育て支援法が2012年に成立、2015年に新制度としてスタートした。その中身や、制度施行後の変化を見ていこう。
新制度では、幼稚園、認定こども園、保育園の財政支援を一本化、認可制度も整理され、認定こども園への移行や新設がスムーズになった。パートタイム就労や、就学、求職での保育サービス利用が認められた他、「小規模保育事業」など各自治体が認可する地域型保育事業の充実が図られ、保育の形は多様になっている。
上のグラフは、保育所等を利用する児童数の推移を表している。制度開始以降、認定こども園の利用が年々増え、保育の全体量が拡大している。
2019年10月からは、幼児教育・保育の無償化制度が始まり、3〜5歳の保育園、幼稚園、認定こども園に通う子どもと、保育園に通う0〜2歳の住民税非課税世帯の子どもの利用料が無料となった。認可外保育施設や幼稚園の預かり保育も、無料ではないが補助がなされる。子育て世帯への助けとなる一方、利用者が増えて待機児童対策が遅れる、現場の仕事増加、さらなる人員不足を起こすなどの不安材料もある。
また、無償化の対象とならない施設が、保護者に選ばれなくなり、経営の悪化を招くことも懸念されている。