高齢社会の課題とは?
医療の進歩により平均寿命が延びたが、日常生活に制限がある状態で生活する高齢者が増えている。高齢者が、最小の制限で暮らせるように社会全体でサポートする必要がある。
上のグラフは、平均寿命と健康寿命の推移を表している。健康寿命とは、仕事や家事、外出等の日常生活に制限のない状態で暮らせる期間のことだ。2016年のデータでは、男性は72.14歳、女性は74.79歳、平均寿命との差はそれぞれ8.84年、12.35年となっており、多くの高齢者が相当の期間、日常生活に制限のある暮らしを送っていることが読み取れる。この期間の短縮が課題であり、介護職には、介護予防や介護の重度化予防を心がけ、QOLを上げることが求められる。
要介護の状態にはなっていなくても、多くの高齢者が、加齢により心身が衰えた状態、いわゆるフレイル状態に陥ることに注目が集まっている。フレイルを発症している高齢者に対し、適切な介入をして元の状態を目指すことも大きな課題だ。主に医療面から行ってきた保健事業と、介護予防の一体的実施を行い、フレイルを効果的に予防し、健康寿命の延伸につなげることが進められている。介護職は、従来に加えさらに医療職との連携をすることが必要になり、他職種との協力ができるスキルが求められるだろう。