介護施設の運営主体は?
介護施設の運営者には、地方自治体や社会福祉法人の他、企業も多い。運営主体ごとの特徴を知っておこう。
上のグラフは、主な介護施設の運営主体ごとの割合をまとめたものだ。特別養護老人ホームは、原則として自治体か社会福祉法人が営むことになっており、ほとんどが社会福祉法人の運営だ。訪問介護やデイサービスは初期投資が少なく、企業が運営する例が多い。リハビリに力を入れるデイケアは、病院などの運営例が多い。特定施設入居者生活介護は、介護付有料老人ホームなどが含まれ、企業の運営例が多い。2019年には大手証券会社がこの分野に参入し、話題となった。
社会福祉法人は福祉分野での実績が長く専門的知見を蓄積しやすい。地域密着の法人が多く、遠方への転勤が少ない傾向にある。医療法人では病院が職場となる場合もあり、介護と医療の両方の知識が身につきやすい。企業は、福祉以外の本業での実績を活かした特徴あるサービスの展開が期待でき、効率化が進んでいることも多い。
ここ数年は、社会福祉法人を含め、介護事業者の倒産例が増えている。倒産事例では小規模事業者や開設してから5年未満などの新しい事業者の割合が高い。就職先を選ぶ際には、現場見学に加え、運営者の理念や、沿革、経営状態も確認しよう。