介護人材はなぜ不足する?
労働環境の厳しさ、賃金の低さ、休暇の取りにくさなどに、働く人が不満を感じており、事業者は人材の採用に困難さを抱えている。これらを背景に、慢性的な人材不足となっている。
上のグラフは「介護労働実態調査」から介護労働者に仕事の悩みや不安、不満を尋ねた結果だ。「人手が足りない」と答えた人が特に多く、次いで「仕事内容のわりに賃金が低い」となった。両方とも、入所型施設の労働者において、他施設と比べ高い傾向にある。休暇の取りづらさにも不満が見られる。一方、同調査で仕事の満足度を見ると、仕事内容・やりがいについては、52.8%が満足もしくはやや満足と答えており、不満足とやや不満足を足しても10%に満たない。仕事にやりがいを持ちながらも、待遇面で不満を抱える人が多いことがわかる。
事業者側への調査では人材不足の理由について89.1%が「採用が困難」と回答しており、採用が困難な原因については、半数以上が「同業他社との人材獲得競争が厳しい」「他産業に比べて、労働要検討が良くない」ことを挙げている。
こうした結果からは、労働環境のよりよい施設に人材が集まっていることも推察される。就職を考える施設の残業量、有給休暇取得状況、離職率などを可能な限り調べるようにしよう。