日本の医療の現状は? | 薬剤師の就活・グッピー新卒

日本の医療の現状は?

国民医療費

 平均寿命が高く質の高い医療を受けられる日本だが、特に地方で顕著な医師の不足、そして年々増大する医療費が大きな課題となっている。

 病院、医院、薬局等で1年間にかかる国民医療費は、2017年度には43兆710億円、前年度より9,329億円、2.2%の増加となった。人口一人当たりの国民医療費は、33万9,900円。70歳以上の高齢者では83万4,100円となる。高齢者の増加や、医療の高度化の影響が大きく、医療費は今後も伸びていくと考えられる。

 国民医療費の財源を見ると、保険料と患者さんの窓口負担でまかなえるのが6割程度。残りは国や地方の公費等による。今後、財源確保のための高齢者の窓口負担割合の増加や社会保険料の引き上げ、保険診療の適用範囲の縮小などが予想される。

 国では長期入院を避けて終末期を住み慣れた家で過ごすなどの「在宅医療」を推進しており、薬剤師も在宅医療に参画する機会が増えている。医師不足の対策として遠隔診療導入やAIの研究も進行中だ。

 2017年、1年間のスイッチOTC医薬品購入金額に応じて所得控除がされ、課税額が減る「セルフメディケーション税制」が始まった。医療費削減にも医師不足問題への対応にもつながり、薬剤師への期待が大きくなるだろう。