AI（人工知能）等の進歩により、臨床現場から個々人のヘルスケアまで、大きな変化が起きつつある。

　医療情報を大量に学習・蓄積し、素早く判断できるAIにより、臨床現場では、画像診断や電子カルテ解析による診断などの実用化が進んでいる。創薬においては、化合物のスクリーニングにAIを利用し、開発費用と期間を抑えることに期待が集まっている。

　通信技術や機材の発達により、これからの医療のあり方とは？でふれたオンライン診療や遠隔手術が可能になることは、地域格差の是正にもつながるだろう。薬剤師の仕事では、対物業務はテクノロジーの発達により軽減され、対人業務がますます重要になっていくと予想される。

　また、スマートフォンの普及により、個人が自らの健康情報を記録することが容易になっている。数多くのヘルスケアアプリがリリースされており、薬局やドラッグストア企業がアプリを開発し、調剤情報とともに患者さんの健康管理に役立たせる事例もある。個人による食事や運動、バイタルデータの記録は、今後、PHR（パーソナルヘルスレコード）として医療現場でも治療計画や予防のために活用されていくだろう。薬剤師は、医療専門職として、こうしたアプリの紹介やアプリを活用してのヘルスケアの知識を持ち、アドバイスできることも大切だ。