これからの医療のあり方とは?
外来治療や在宅医療、オンライン診療の普及、医師不足に対応するタスクシフティングが重視されていく。
一般病床での平均入院日数はこの20年で約33日から約16日に減少しており、外来や在宅での治療は今後も加速していく。入院前・中・後での薬物治療が中断されることなくスムーズに行われるためには、病院と薬局の薬剤師の連携と地域のチーム医療での薬剤師の活躍が重要になっていくだろう。
また、生活習慣病などの慢性疾患などで、オンライン診療が保険適用となった。今後、対象疾患が増加することが予想されている。オンライン診療の普及に伴い、薬剤師の服薬指導にもオンラインが取り入れられる流れがあり、現在、実証実験が行われている。
医師の不足や偏在の解消のため、従来医師が行っていた業務を他の医療職が担うタスクシフティングの議論も活発だ。入院時に患者さんと面談をして、持参薬チェックや処方支援、含量規格や剤形等を薬剤師の判断で変更できるような事前取り決め、分割調剤により副作用発現や服薬状況の確認を薬剤師が行い情報共有などの事例が増えると予想される。上のグラフは、薬剤師が関わるタスクシフティングの実施状況を示している。薬剤師の能力発揮で、より効率のよい安全な医療を目指せることを自覚しよう。