新薬開発の現状は? | 薬剤師の就活・グッピー新卒

新薬開発の現状は?

先駆け審査指定制度のイメージ

 新薬開発においては、バイオ医薬品や中分子薬が注目されている。承認審査期間を短縮する制度など手続き上の改革にも期待が集まる。

 以前は、化学合成で作られる低分子薬が主流だったが、合成による創薬が行き詰まる中、抗体医薬品など、遺伝子組換えや細胞培養で作られるバイオ医薬品の開発が増えてきた。バイオ医薬品は、低分子薬で治療できない疾患にも効果があるが、開発費用が高い、分子が大きく適用疾患が限られるという課題もある。それを受け、現在は、遺伝子の働きに関わる核酸医薬品や、化学合成が可能なペプチド医薬品などの中分子薬への注目も高まっている。

 また、行政においては、重篤な疾患に適用される医薬品がなるべく早く市場に出て、アンメット・メディカル・ニーズを満たせるような制度整備を進めている。「先駆け審査指定制度」は、日本が世界に先駆けて開発する画期的な新薬や再生医療製品などを、承認審査で優先的に取り扱う制度で、通常12か月かかる審査が6か月程度に短縮される(上の図を参照)。「条件付き早期承認制度」は、患者数が少なく治験が困難な新薬を、製造販売後の調査や他の臨床試験結果をもって承認する制度だ。いずれも、一時的な措置で運用されている制度だが、現在、法制化が進められている。