地域包括ケアシステムとはどんなもの?
65歳以上人口が国民の3割を超える2025年を目処に、国は、高齢者が住み慣れた地域で自立した生活が送れるように関係各所が協力・支援するしくみを作ろうとしている。これが地域包括ケアシステムだ。
地域包括ケアシステムでは、医療、介護といった分野単独ではなく、高齢者が安心して医療や介護を受け、安全で快適な住まいで暮らし、社会活動に参加できるよう、様々な分野の支援やケアを包括的に行う必要があり、上の図のように地域の専門多職種の人々が連携していくことになる。
高齢化状況には地域差があり、地域の文化も異なるため、自治体が地域の特徴に合ったケアシステムを作り上げることが求められる。そこで重要な役割を果たすのが、自治体の地域包括支援センターが開催する地域ケア会議だ。この会議では、地域包括ケアシステムの実現に向け、高齢者の個別課題の解決を図り、分析を積み重ね、地域に共通した課題を明確にしていく。これに薬剤師も参加する例が増えており、在宅業務と同じように地域の様々な職種との連携が重要になっている。
このように、高齢者のニーズをくみ取り幅広く対応することも、薬剤師に不可欠なスキルとなる。社会人1年目から高齢者への適切な対応ができることを意識するとよいだろう。