在宅医療はどんなことをする?
在宅医療で薬剤師は、自宅や高齢者施設等で訪問診療を受けている患者さんに薬を届け、服薬指導をする。
もちろん、それだけではない。特に、在宅医療開始の際には、まず服薬中の薬を整理し、飲み忘れで余っている薬がないか、薬の管理はどのように行われているか等を把握することが薬剤師の大事な仕事となる。実際の生活空間で患者さんの暮らしを目にした上で、投薬カレンダーを設置する、使いやすいピルケースを用意するといった在宅ならではの工夫も必要だ。患者さんの生活パターンに合わせて処方の変更を提案することもある。上のグラフのように、薬剤師の取り組みで、患者さんの服薬状況が改善されたという調査もある。2017年度の調査では、在宅業務を行っている薬局は54%だったが、今後はもっと増えていくことが予想される。
さらに、在宅医療とは地域の医療スタッフによるチーム医療であるため、医師、看護師はもちろん、介護を担うケアマネジャーやヘルパーなどとの連携が大切になる。情報共有だけでなく、治療上の課題解決に向け話し合ったり、薬をしっかり飲んでもらう方法や副作用等についてチームメンバーに指導する必要もある。在宅医療では、チームの一員という自覚と多職種連携の意識、そしてチーム内で薬の専門家としての役割を果たす意識も重要だ。