「ヘルステック」とは、「ヘルス」と「テクノロジー」を合わせた造語であり、ICTやAIなどの最新技術を活用した医療や健康関連のサービスや、その開発のことを指す。

　医療現場では電子カルテが浸透し、他の医療機関との連携体制も整備されていく。通信システムを使った遠隔診療や遠隔手術のしくみも整えられつつある。近年めざましく進歩しているAIは、画像診断支援等に役立てられ、ビッグデータを活用しながらの病気の進行予測も、可能になると思われる。

　介護現場に向けては、利用者さんの移動や排泄時などにアシストするロボット、利用者の徘徊や異常を検知するロボット、介護者の身体的負担を減らすパワーアシスト器具等が開発され、少しずつ導入が進んでいる。

　スマートフォンを使い、個人が健康に関連するデータを記録するパーソナルヘルスレコード（PHR）もヘルステックのひとつだ。PHRは、個人が日頃の健康管理に用いる他、医師と共有することで生活習慣病等の治療効果向上も期待できる。歩数を記録してポイントを貯めるなど、健康増進のモチベーションを高める機能を持つものも広がっている。これからの施術師は、このようなアプリの知識を持ち、個々人が自分で健康維持を目指せるようにサポートすることも大切になるだろう。