看護師の特定行為研修制度とは?
在宅医療が増加する中、一定の診療補助行為について、あらかじめ医師が作成した手順書に従って看護師が行える制度が「特定行為に係わる看護師の研修制度」である。特定行為が行えるのは一定の研修を受講した看護師だ。
特定行為は21区分38行為に分かれている。研修は、講義、演習、実習があり、区分に共通の科目が315時間、区分ごとの科目が15〜72時間。共通科目と区分ごとの研修を修了すると、その区分に含まれる特定行為を手順書によって実施できるようになる。18年度末までの修了者は1,685人(のべ13,217人)にのぼる。
医師が作成する「手順書」には、患者さんの病状の範囲、診療補助の内容、その特定行為を行う時に確認すべき事項などが記されている。研修を修了した看護師は、担当患者さんがこの手順書に記された症状の範囲内であれば、医師の指示を待たずに自らの判断で、特定行為を行うことができる。上の図には例として、在宅療養中の脱水を繰り返す患者Aさんについて、特定行為が行われる手順を示している。
医師の働き方改革が進められる中、看護師の判断での迅速な措置は、今後ますます必要となる。これからの医療のあり方とは?で説明するタスク・シフティングにも欠かせない。将来的に特定行為研修を受けることは視野に入れておこう。