将来の医療体制は?
持続可能な医療と社会保障のため、2025年を目処に医療機関を再整備する計画が進められている。
再整備のために行われているのが「病床機能報告制度」だ。病院と有床の診療所が持つ病床機能を都道府県に報告するもので、毎年、調査が行われている。そして、こうした報告による情報を活用しながら、各都道府県では、「地域医療構想(ビジョン)の策定」を行い、2025年に向けて地域のあるべき医療体制を整えていく。上のグラフのように、2018年度の病床機能報告での実態と地域医療構想での病床必要数を比べると、回復期病床が不足しており、今後、多くの病院が地域の特徴に合わせながら、急性期の病床を回復期に転換させていく動きが出てくるだろう。志望する病院については、現在の状況だけでなく、今後どのような病床機能ビジョンを持っているのか、確認しよう。
このような病床機能の分化においては、各病床の連携も大切になる。高度急性期・急性期病床での必要な治療が終わったら、ふさわしい病床に転院、早期のリハビリが開始される。早めの退院はいずれの病床でも重視されるため、患者さんが早期に退院できるようにサポートし、転院先や外来など関係各所との連携をスムーズにすることが看護師の重要な役目となるだろう。