歯科衛生士は、歯科予防処置や保健指導を中心に、歯科医師の診療補助等も行う。さらに、患者さんの緊張を和らげ、前向きに治療や予防に取り組めるように促すことも歯科衛生士の役割として大きいものだ。

　長く自分の歯を保っていくために、予防処置は欠かせない。予防領域では、歯科医師の指導のもと、仕事の中心を担うのは歯科衛生士となる。歯石の除去やクリーニング等のために来院する患者さんは歯科衛生士が担当し、歯科医師は最後にチェックするのみということも一般的だ。

　むし歯や歯周病の予防は本人の生活習慣が大きく影響する。よって、歯科衛生士が歯科予防処置や保健指導をする際には、食事、睡眠などの生活習慣をしっかり聞き出すことも大切だ。細かいプライベートのことを患者さんに話してもらうためには、親しみやすく信頼される応対ができなければならない。歯科医院で指導や治療を受ける患者さんのモチベーションを支えることも必要で、その意味ではサービス業としての心得も期待される。

　高齢者の口腔ケアの重要性が高まっている現在、訪問診療による口腔ケアの機会も多くなっている。咀嚼や嚥下機能の訓練、高齢者が食事を楽しめるような助言も歯科衛生士の新しい仕事分野として注目されている。