超高齢社会での歯科医療の役割は? | 歯科衛生士の就活・グッピー新卒

超高齢社会での歯科医療の役割は?

かんで食べる時の状態別、低栄養傾向の者(BMI≦20)の割合

 高齢者が増える中、口腔状況と全身の病気や認知症との関係が明らかになってきている。高齢者の健康に、歯科衛生士が果たす役割は大きい。

 上のグラフは、咀嚼状況別に、BMIが20以下で低栄養傾向が見られる高齢者の割合を示している。何でもかんで食べられる人に比べ、そうでない人の方が低栄養傾向にあり、栄養不足となる原因のひとつに、かむ力の衰えがあることがわかる。低栄養により、筋力が低下して転倒しやすくなったり、免疫力が低下したりする。歯科治療によって、しっかりかんで食べられるようにすることは、要介護化や介護の重度化を防ぐためにも大切だ。

 歯周病原因菌が、心臓疾患や脳血管疾患、糖尿病など、全身の病気に関わることがわかってきている。また、口腔ケアを受けている人の方が、認知機能の低下を抑制できるという研究結果もある。訪問歯科診療を拡充し、歯科の専門治療・ケアを受けられない人を減らすことが必要だ。

 このように、高齢者がより質の高い生活をするためには、専門的口腔ケアを担う歯科衛生士の活躍が欠かせない。本人や家族、介護職が毎日の口腔ケアを行えるように、わかりやすく指導することや使いやすいケア道具の選定も含め、高齢者の口腔ケアの知識をしっかり身につけるようにしよう。