医療保険のしくみは?
日本は、国民皆保険制度を導入しており、病気の人も健康な人も保険料を支払い、病気やけがをした時に個人の負担が少なくなる相互扶助のシステムで動いている。医療に携わる歯科衛生士として、また自分自身が保険料を支払う社会人として、保険のしくみはしっかり理解しておこう。
職業や年齢によって加入する保険は異なり「健康保険組合」「協会けんぽ」「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」などがある。保険制度を運営する組織を「保険者」、加入する人を「被保険者」と呼び、企業や団体の従業員が加入する保険制度では、被保険者の保険料は事業者と折半となる。就職後には、給与以外に保険料も勤め先から支払われることを自覚しよう。現在、国全体の医療費は、保険料で5割弱、患者さんが窓口で支払う分で1割強、残りは国や地方からの公費でまかなわれている。そのため、医療費を削減し、公費支出を抑えることも重要な課題となっている。
歯科では、保険診療以外に自由診療を行う医院も多い。どんな診療を中心に行っていくのか、それぞれ方針を持っている。自由診療中心の医院では、ホワイトニングなどの審美面のケアが多く、歯科衛生士に求められるスキルも異なる。就職先を考える際には医院の戦略・方針もよく確かめよう。