日本の歯科診療の状況は?
むし歯本数が減少傾向にある中、歯科診療は治療中心から、口腔機能管理中心にシフトしている。
日本の医療の状況は?で見た2017年度の国民医療費のうち、歯科診療費は2兆9,003億円。歯科診療の総額は年々上がっているが、国民医療費に占める割合は低下傾向にある。2018年、歯科診療における1件あたりの保険点数は1248.7点、1日あたりでは699.9点だ。そのうち35.5%を歯冠修復及び欠損補てつ、20.0%を処置、11.2%を医学管理等が占める。2000年には歯冠修復及び欠損補てつが50.1%、処置が15.2%、指導管理等が7.0%だった。むし歯が減少していることや診療報酬改定の影響もあり、患者の指導などがより重視される流れがある。
医療費抑制の必要もあり、医療全体で病気になる前の予防に力を入れる流れがあるが、歯科でも予防は重視されている。予防や口腔管理に重きが置かれる現在、歯科衛生士の存在感は増しており、貢献への期待も大きい。
口腔ケアにより、全身の病気の予後が良好になることが明らかになり、医科歯科の連携も盛んになってきている。高齢者の自立生活には、口腔機能が大きく影響する。高齢者割合が増加する中、高齢者の口腔ケアにも重きが置かれている。歯科衛生士には、医療・介護の知識も必須となっている。