介護施設での仕事とは?
介護サービスを必要とする人は上のグラフのように年々増えており、介護の一環としての口腔ケアが注目されている。介護施設の仕事では、介護職員へのアドバイスや指導も重要だ。
利用者が居住する介護施設には主に介護老人保健施設と介護老人福祉施設がある。介護老人保健施設は老健とも呼ばれ、入院の必要はなくなった高齢者が、在宅生活を目指してリハビリ等を受けながら生活する。介護老人福祉施設は、一般に特別養護老人ホーム(特養)と呼ばれ、常時介護を必要とする高齢者の生活の場である。
介護施設では、施設入居者の口腔内ケアを中心に、義歯の洗浄や取り扱い指導、歯みがき指導等の他、摂食や嚥下、口腔機能向上の訓練も担当する。食事が摂れることは生活の質に大きく関わり、介護の重度化防止にもつながるため、こうした訓練や口腔内の健康維持・向上は介護現場で重視されている。介護職員全体で取り組む必要があるため、歯科衛生士からの他のスタッフへの指導も大切だ。
介護施設の歯科衛生士は、現在はごく少数で、多くの施設では提携歯科医院から訪問診療を受けている。要介護者が増える中、訪問歯科だけでは手の回らないきめ細かいケアも可能になるため、介護施設に常駐する歯科衛生士は少しずつ増えていくだろう。