仕事と結婚・子育ての両立はできる?
簡単ではないが、仕事と子育てを両立させている歯科医師は多い。歯科医師の性別と年齢の構成は?で述べたように、女性歯科医師が増加しているので、今後より環境が整うことが期待できる。
日本歯科医師会の調査では、「女性歯科医師として勤務する際に女性ならではの困難を経験した/しているか」との質問に、特にないと答えた人は45%。しかし、子どもがいる人に限ると「妊娠・出産」「育児」で7割程度、「保育施設さがし」で3割程度が経験したと答えている。環境が整っているとは言いがたいが、同調査でも時短勤務やパート勤務、代診制度を使って、仕事を続けている歯科医師の回答がある。改善の余地は大いにあるものの、子育てと仕事を両立するための知見が蓄積してきたことがうかがえる。歯科医療の進歩にキャッチアップしていくためにも、短時間でも臨床に携わることは重要だ。
国全体でワーク・ライフ・バランスの重要性が言われている現在、子育ては夫婦が平等に担うとの認識が広がっており、こうした問題は女性だけのものではない。子育てや介護の経験は、小児や高齢者、障害者の治療のヒントにもできる。職業生活と私生活のバランスをとることは男女に関係なく重要な事柄だ。就職の際には、子育て支援制度の実態を確認することも大切だ。