賃金の引き上げと、キャリアアップのしくみの体系化により、保育士の確保、離職防止が図られている。

　保育の仕事は好きでも、給与が低いために他の職種を選ぶ人が少なくない現実に対し、国では、保育士の給与引き上げに力を入れている。保育士の公定人件費の引き上げ、職員の平均勤続年数やキャリアアップなどの取り組みに応じた処遇改善等加算などがあり、事業者に支給される補助金は、段階的に引き上げられている。

　処遇改善等加算には、職員全員に適用されるものと、特定の職務に就く人に適用されるものがある。以前は、園長や主任保育士以外に明確な役職がなく、昇給のしくみも作りにくかったが、現在は、上の図のように、主任保育士の下に「副主任保育士」「専門リーダー」、その下に「職務分野別リーダー」が置かれた。経験を積み技能を身につけた職員として、それぞれ月額約4万円、5千円が追加される。

　こうした役職のしくみは、キャリア構築のモチベーションを高め、離職を防ぐことにもつながる。役職に就くためにはキャリアアップ研修を受けることが必要とされ、研修分野は現在のところ、上の図にある8分野だ。

　加算分の配分方法は、事業者に任されている。可能なら、就職を考える園の配分状況などを確認しておこう。