経営主体による違いは?
保育所は、大きく公立と私立に分けられ、公立のほとんどは市区町村の運営だ。公立では正規職員であれば公務員となり昇給が期待できることが多い。私立では、運営法人により保育の方針や待遇も様々である。
上のグラフのように私立では社会福祉法人による運営が多く、保育所全体の半分強を占める。公立の保育所は民営化されて数が減っており、公立であっても運営が外部の民間法人に委託される事例も少なくない。自治体によって参入を認めていないところもあるが、2000年の規制緩和以降、株式会社の参入も少しずつ増えている。社会福祉法人は、古くから保育所運営を行って基盤がしっかりし、ベテラン保育士の知見が蓄積される傾向にある一方で、新しい試みが少ない場合もある。株式会社では、効率的な事業運営や新しい取り組みに積極的であることが多く、全国展開をして福利厚生や集合研修を充実させた大規模企業もある。その反面、参入からの日の浅さや営利重視の企業も少なくないことから、経営基盤が不安定になる懸念がある。保育所ごとの歴史が短く、知見の蓄積が少ないデメリットも否定できない。
個々の法人の特徴を見極めることが大切だ。1つの保育所だけでなく、他の運営施設を含め、法人全体をしっかり見るようにしよう。