医薬分業はこれから進展する? | 薬剤師の就活・グッピー新卒

医薬分業はこれから進展する?

医薬分業率

 医薬分業率は2015年度に70%を達成した。1990年代後半から2000年代前半にかけては急激な伸びもあったが、今後は伸びても緩やかなものと予想され、全体的に見て、医薬分業は急成長期から安定成長期に入ったといえる。

 安定成長期に入ると、それまでのような急激な成長は見込めない。しかし、県別に見ると50%台の県もあり、まだ介入できる余地があるのではないかと考えられる。国民医療費が膨らむ中、調剤報酬額をなるべく抑えていく国の方針もある。調剤薬局は、経営の効率化や薬局自体の質を高めることを考えなければ生き残れない時代になっていくだろう。

 薬局の質が問われるとは、薬剤師の質が問われること。薬剤師は、まず医薬分業の基本である医師とは別の立場から処方チェックを万全に行うことを徹底し、その役割をきちんと患者さんに理解してもらえるよう、わかりやすく説明することが大事だ。幅広い知識を持って、患者さんだけでなく地域の人々から広く健康相談を受けられるようにもしていきたい。このようにして、薬剤師の持っている力が人々に認知されていけば、医薬分業が進んでいない地域での進展にもつながるかもしれない。

 医薬分業がこれ以上進展しにくい中でも、個々の薬剤師が力をつけて薬局の業務を拡大していく努力が必要だ。