日本の医療の現状は?
日本は高い医療技術を有し、国民皆保険により誰もが安価な料金で医療を受けられるが、国全体の医療費の増大が課題となっている。
上のグラフは、1年間に保険診療の対象となる病気やケガの治療、薬剤にかかった費用の総額「国民医療費」の推移だ。2017年度には43兆710億円、1人当たりにすると33万9,900円となっている。65歳以上の高齢者にかかる医療費が約6割を占め、1人当たり73万8,300円になる。2016年度は薬価調整の影響で前年度比微減となったが、2017年度には再び増加、高齢化と高度医療の実施・導入により、今後も増加が続く見込みで、消費税率や、保険料・患者負担額の引き上げ等による財源確保が図られている。
医療費抑制と、個々人の生活の質向上を狙い、予防や未病への対処が重視され、生活者自身が健康を管理するセルフメディケーションも推奨されている。薬局等が健康相談拠点となる政策も進められている。病気や外傷が悪化する前にケアできる施術師もそうしたニーズに応えられる存在だろう。
施術師は社会全体の健康増進に貢献することも意識したい。西洋医学とは別の方向からの健康へのアプローチをすると同時に、幅広い健康相談に対応し、食事や運動のアドバイスもできるようスキルを磨こう。