地域包括ケアシステムでの役割は?
高齢者が可能な限り自立し、住み慣れた地域で暮らし続けられるように、医療・介護・住宅・介護予防・生活支援を一体的に提供する「地域包括ケアシステム」を2025年を目処に構築することが目指されている。
2025年は、国民の3割にあたる3,677万人が65歳以上に、中でも「団塊の世代」を含む75歳以上が2,180万人にもなると予測されている年である。そうした高齢者が住み慣れた地域で自分らしく自立した暮らしを行っていくためには、専門医療職が連携して、地域を包括的に支援していく体制作りが求められる。超高齢社会での歯科医師の役割は?で説明したように、高齢者がその人らしく生きがいを持って生活するためには、口腔ケアが欠かせない。歯科医師は、訪問歯科診療や歯科衛生士による口腔衛生処置、本人・家族へのケア指導に、積極的に取り組む必要がある。かかりつけ医師との連携により個々の患者さんの栄養状態や全身状態を把握する他、介護専門職と連携を密にし、口腔ケアが行き届かない高齢者が生じないようにすることも重要だ。
歯科医師には、自院の患者さんを診るだけでなく、地域ネットワーク内で役割を果たすことが求められている。訪問看護師やケアマネジャーなどから診察の依頼を受けて、診療する機会も増えると予想される。