医科歯科連携で必要なことは? | 歯科医師の就活・グッピー新卒

医科歯科連携で必要なことは?

口腔機能の管理による在院日数に対する削減効果

 歯科医師は、全身の病気・健康についての知識を持ち、医師や看護師などの他職種とのコミュニケーションをしっかり取れることが求められる。

 上のグラフは、消化器外科、心臓血管外科の手術症例、血液内科の悪性腫瘍に対する化学療法症例について、歯科医師が検査・計画し口腔の専門的処置を行った群と、口内清拭などの一般的な口腔内ケアを行った群で、在院日数を比較したものだ。管理群と非管理群で有意な差が出ており、この例に見られるように、口腔機能管理が全身の病気の治療成果に大きな影響を与えることが明らかになっている。そのため、歯科のある病院では、周術期の患者さんなどに医科と歯科が連携してあたることが増えている。歯科のない病院においても、地域の歯科医師会が連携し、病棟の回診を行うなどの協働が広がりつつある。

 よって、勤務場所が病院であっても医院であっても、全身の病気と口腔機能との関係について、高度な知識を持つこと、医科の多職種とチームを組んで歯科の専門スキルを発揮することが必要である。また、歯科治療の効果を上げ、安全な治療を行うため、かかりつけ医と治療内容や現状を情報共有することも、大切な連携のひとつだ。

 超高齢社会での歯科医師の役割は?で説明する、高齢者の健康維持、介護領域との連携も重要だ。