臨床研修を終えたら、まずは自分のキャリアパスを計画し、そこに沿った就職先を選ぶようにしよう。就職先の理念が自分の理想と合致しているか、自分の望む分野の知識や技術を身につけられるか等は特に重要となる。

　就職先を選ぶ際、初任給や待遇に気を取られがちだが、重視すべきなのは就職先の特徴だ。歯科医院、病院の理念を知るため、求人票や就職サイトから読み取れる特性や診療方針をチェックする。興味のあるところには見学を申し込み、診療の様子を見て、院長と直接話し、理念と診療方針をより深く理解しよう。また、最初の就職先は、歯科医師としての土台を築く場でもあるため、教育体制が充実していることも大切だ。自分の望むキャリアパスに合った知識や技術の向上が可能であるかを基準に考えるとよい。幅広い診療分野を経験したい、保険診療または自由診療を中心に身につけたい、小児歯科、高齢者ケア等、特定の分野を強化したい、など、自分の希望は具体的に整理しておこう。

　どのような観点から就職先を選んだのか、周りの先輩たちに尋ねることも、思考整理に役立つ。「この人のもとで働きたい」と思える院長がいることや、人間関係が良好であることも大切なポイントだ。人との相性も見極め、最初の就職先を吟味しよう。