歯科医師は過剰状態?
上のグラフのように、2018年の医療施設に従事する歯科医師数は101,777人、人口10万人あたり80.5人となっている。日本歯科医師会では、適正な歯科医師数を、2030年代前半に82,000人程度、人口10万人あたり71.4人としており、国でも新規参入する歯科医師数を減らす方針をとっている。
歯科医師が少なく、国民の、う蝕の多さが問題となった1969年、国は当時人口10万人あたり30人台であった歯科医師数を50人にするという目標を設定した。歯科大学が増えて目標は早期に達成され、逆に過剰にならないようにとの目標が掲げられたが、目標通りの削減ができていない。
歯科医師数過剰での問題は、個々の歯科医師が経済的低迷を起こすこと、そして経済的低迷により、最新の技術や機材の導入、優秀な人材の雇用が行えず、診療の質が落ちることだ。
こうした状況下で新たに社会に出ていく歯科医師として、医療の質を落とさず、必要とされる歯科医師となることを心がけたい。高い技術を身につけることは当然として、今後の技術需要を見極めて戦略を持つことが必要だ。開業するのであれば、経営手腕を身につけることも、よりよい歯科医療提供の一部と認識したい。日本の歯科医療全体の向上も目標に入れ込みながら、自らのキャリアステップを計画しよう。