日本の医療の状況は?
国民皆保険により、誰もが質の高い医療を安価に受けられるが、医療費の抑制が課題となっている。
上のグラフは、国民医療費の推移を示している。2017年度は43兆710億円、前年比2.2%増だ。国内総生産に対する比率は7.87%、国民所得に対する比率は10.66%となっている。1人当たりの医療費は33万9,900円、65歳以上の高齢者では73万8,300円、75歳以上になると92万1,500円となる。高齢者人口が増え、高度医療が発展する中、国民医療費は今後も上昇を続けると予想される。
医療費財源確保の施策として、消費税、後期高齢者の自己負担額、健康保険組合の保険料等の引き上げが段階的に行われている。入院期間の削減も進められ、1998年に平均40.8日だった病院(全病床)の平均在院日数は2018年には27.8日、一般病床に限ると31.5日から16.1日に減少している。入院から在宅、医療から介護への切り替えが流れとなっている。高度急性期・急性期の病床の減少と回復期病症の増加を目指し医療機関の再編も進められている。そうした中、口腔機能管理によって入院期間を短縮することに注目が集まっている。
生活の質向上、医療費抑制の両側面から予防医療が重視されており、予防歯科への注力も期待されている。