施術師の就職先は、産休・育休の取得が難しいことは否定できない。ただし、国家資格職としてパートや開業など、柔軟な働き方の選択肢があることは強みといえるだろう。

　一般的に、施術所、クリニック等は小規模で、現実として産休・育休を経て復帰する形をとることが難しい場合が多い。しかし、福利厚生に力を入れて、産休・育休の取得を奨励、子育て中の短時間勤務制度を充実させている施術所等も少しずつ出てきている。就職先を探す時には注意しておきたい。同じ職場で出産後に勤務が継続できない場合でも、パート等の短時間勤務でも施術の技術が生かせる点は利点だ。また、施術師はいずれの資格も開業権がある。開業して自分のペースで仕事ができる環境を自分自身で作り出すことも選択肢に入れたい。

　現在、国全体でワーク・ライフ・バランスの重要性に注目が集まっている。仕事と、子育てや介護等の私生活の両立は女性だけの問題ではない。本人や配偶者の妊娠・出産経験があれば妊産婦への施術のよい経験になり、子育てや介護の経験は、子ども、高齢者、子育て世代、幅広い年代の施術に役立てられる。職業生活と私生活が互いによい影響を与えられることは理想といえるだろう。私生活も視野に入れながらキャリアプランを立てていこう。