超高齢社会での歯科医師の役割は? | 歯科医師の就活・グッピー新卒

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超高齢社会での歯科医師の役割は?

かんで食べる時の状態別、低栄養傾向の者(BMI≦20)の割合

 2040年には、日本の高齢化率は35%を超えると推計されている。高齢者がより健康で生きがいをもって暮らせるよう、歯科医師が口腔機能管理をしっかりと担っていく必要がある。

 上のグラフは、咀嚼状況別に、BMIが20以下(低栄養傾向)の高齢者の割合を示したものだ。何でもかんで食べられる人に比べ、そうでない人の方が低栄養傾向にあり、栄養不足となる原因のひとつに口腔機能低下があると推察される。

 現在、高齢者のフレイル(虚弱)が注目されている。体重減少、筋力低下、疲れやすさなどで、行動力や生活状態が低下する状態を表す。低栄養はフレイルの大きな要因だ。フレイルの段階で改善を図り、要介護状態を防ぐことが重要であり、上のグラフからは、口腔機能管理がそのカギを握っていることがわかる。もちろん、要介護となった後に介護重度化を防ぎ、よりよい暮らしを送れるようにするためにも、口腔の健康が重要だ。

 歯科医師は、各患者のかかりつけ医との連携し、総合的に体の状態や機能をみて、ケアや生活指導をしていく必要がある。また、通院できない人のためには訪問診療を積極的に行い、生涯にわたって口腔管理を提供する必要があるだろう。訪問診療については訪問歯科診療の仕事とは?で解説する。