児童福祉や幼児教育を専門に学んだ人は、保育士資格が必要な仕事に就くことが多いが、それ以外にも、専門性を活かせる仕事・職場がある。

　たとえば、子ども服や玩具、絵本など、子ども向けの製品やサービスを扱う企業では、子どもの心理や生活について知識のある人材が活躍しやすい。製品開発の過程や小売現場などでは、子どもと直接触れあうこともあり、保育士資格を持つ人に向いた仕事といえる。また、自動車製造・販売、住宅、旅行関連など、子育てをする家族向けに製品・サービスを提供する企業でも、子どもや子育てに関する知識を持った人材は貴重だ。

　保育士の不足や就労環境が課題となっている今、その課題解決の仕事にも、保育士の事情がよくわかる人材に需要がある。例を挙げると、保育士の人材サービス企業や、保育園のIT化を支援するシステム開発などがある。

　一般企業に就職を希望する場合、保育園の就職活動よりも早く動き始める必要があり、保育関連の卒業生からは情報収集が難しいことも多い。インターンシップ開催の情報を自分で探し、積極的に参加するとよい。資格の必要のない職に就く理由は、面接で必ず尋ねられる。なぜ保育士以外の仕事を希望するのか、よく考えをまとめ、しっかり説明できるように準備しよう。